ソノサージ
sonosurg

縫合糸を使わない
超音波手術システム

一般的に多くの手術では、体内の血管や組織を結紮するために様々な縫合糸が用いられます。
この縫合糸は体内で溶けてなくなる糸（吸収糸）を使用した場合でも、術後数か月体内に残存することになります。

近年、この体内に残った縫合糸が原因で引き起こされる「縫合糸反応性肉芽腫」という病気が数多く報告されています。
この病気は手術後数ヵ月～数年経って、突然体内に残っている縫合糸に、体が過剰な免疫反応を起こし、縫合糸周囲に肉芽腫（おおきなしこり）を作ってしまう怖い病気です。治療には、手術をして肉芽腫と異物（縫合糸）を取り除くか、長期的な投薬（ステロイドや免疫抑制剤など）が必要になります。ミニチュアダックスフント、トイプードル、チワワ、シーズー、マルチーズなどの小型犬種で多く報告がありますが、どの犬種においても起こる可能性があると言われています。

そこで当院では縫合糸を使わずに体内の血管や組織を凝固、切開することができる超音波手術システム「ソノサージ」を導入しています。このソノサージを使用することで安全な止血、手術時間の大幅な短縮、縫合糸反応性肉芽腫の予防など、より身体に負担の少ない手術が実施可能となります。
皮膚や筋肉を縫合する糸は使わざるを得ないため、縫合糸を全く使わないことは難しいのですが、従来の体の中に縫合糸を残してしまう方法と比較すると格段に身体に優しい手術方法と考えられます。

適応可能な手術例：去勢・避妊手術、子宮蓄膿症、腹腔内腫瘤（脾臓腫瘍など）、乳腺腫瘍、体表腫瘤など

ソノサージのメリット

確実、安全な止血・切開が可能なため、出血のリスクが軽減し手術を安全に行うことができる。

縫合糸による結紮回数が少なくなるので、手術時間が大幅に短縮され動物への負担が軽減できる。

体内に極力縫合糸を残さないことで、『縫合糸反応性肉芽腫』の発症を軽減できる。